たかだこども医院は1997年10月に開設しました。東日本大震災を乗り越え、コロナ禍もなんとかやり過ごすことができそうなのも、地域のみなさまの支えがあったからこそです。
当院では、開院当初から暖かいアットホームな雰囲気作りを心がけています。お母さんやお父さんが、自信を持って育児が出来るよう、分からないことや不安なことを、なんでも気軽に相談できるよう、明るい対応をスタッフ全員が心がけています。
子ども達は元気が一番。親御さんが、安心、安全に守られている感覚を子どもに与えてあげられるように、お手伝いをさせていただきます。
なんでもご相談下さい。
9)小児科医と絵本について
小児科外来は、子どもが絵本に出会える貴重な場所です。
現在、たかだこども医院にはテレビを置いてありません。平成11年、まだスマートフォンが発売されておらず、ケータイ電話にようやくメール機能が搭載され始めた時期すでに、日本小児科医会では、日本の子どもの睡眠不足や運動不足、そしてメディア依存の問題を大きく取り上げておりました。
そして現在はスマホ育児の是非が問われています。スマホ育児を支持しているかたがたの意見を聞くと、単に子どもを静かにさせおとなしくさせることだけを目的としているように見えます。
しかしながら、子どもはうるさいのがあたりまえです。できないことをできるようになるために一生懸命5感を使って思い切り遊ぶことで、成長・発達をしていきます。
子どもの脳は、視覚と聴覚だけではなく、同時に触覚、味覚、嗅覚、さらには筋肉や関節などで感じている深部感覚を、すべて同時にまとめあげる(『感覚統合』と言います)ことで成長していきます。
スマホを凝視している時間、脳への全ての感覚刺激が視覚で占められてしまい、感覚統合をする時間を奪っていると考えてみて下さい。とてももったいないことです。
そうした視点で考えてみると、子どもにとって絵本の読み聞かせとは、絵を見て、お話しを聞くだけではなく、読み手の声音や肌のぬくもり、その場の雰囲気から伝わってくる感情など、すべてを同時に感じ取りながら心を豊かに成長させる機会となっています。
全国には絵本が大好きな小児科医が沢山いらっしゃいます。そうした仲間と一緒に『小児科医が見つけたえほんエホン絵本』を、2007年に上梓しました。
もう過去の産物かと思ったら、アマゾンにもまだ在庫があるようです。
たかだこども医院にも置いてあります。手に取って頂ければ嬉しいです。
8)アレルギー検査について
いまや日本でのスギ花粉症罹病率は40%とされており、国民病とも言われてしまう異常事態です。宮城県では通常1月下旬から飛散が始まり、4月下旬の、ちょうど桜の開花時期に終わるとされてきました。しかし最近は、温暖化の影響なのか6月までずれ込むことが多く、また、スギが終わってもヒノキなどにより症状が長引く方もいるようです。
さらに、カモガヤなどイネ科の植物やヨモギ、ブタクサによる花粉症も見られます。1年中鼻炎と結膜炎に悩まされている方がいるかもしれません。
一般的にアレルギー検査と呼ばれるものは、血液中のIgEという種類の抗体を測定するものです。いわゆる花粉症は、鼻粘膜や眼瞼結膜の肥満細胞表面のIgEへアレルゲンである花粉がダイレクトに付着して起こる即時型の反応であるため、この検査との相関がかなり高いと考えられます。
当院でも、同時に13種類以上のIgEを、約30分で検査ができる「ドロップスクリーンA-1」を備えてあります。スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギの検査ができます。また、犬や猫の皮屑に対するIgEも検査できます。
花粉症の原因が気になる方はご利用下さい。
7)フルミストについて(その2)
フルミストは、鼻腔に噴霧するインフルエンザワクチンです。注射する不活化ワクチンと同等の効果が期待されています。注射で腫れがひどい方や副反応が強く出やすい方などで、使ってみたい方はご要望下さい。2歳から18歳までが対象者となります。
これまで、1回もインフルエンザに罹ったことがなく、また、インフルエンザワクチンを1回も受けたことが無い方は、2回接種が推奨されています。過去にインフルエンザワクチンを受けたことがある方は1回接種が原則となります。
たかだこども医院での料金は8,000円です。
6)楽しい子育て・孫育て講座について
院長は、街の子育て支援グループ「ドリーム・エルりふ」の一員として、子育て支援講座「育児は育自」でお話をさせていただいています。
日常の子育て・孫育ての中で感じている、小さな疑問や不安など、参加者が自由に話合える場となるように、支援グループのメンバーと一緒に取り組んできました。
2007年に始めたので、令和6年の今年で17年目となりました。継続は力なり、とも言いますが、院長もいろいろな気付きを頂くことができた貴重な機会です。
これまで参加して下さった方々に感謝しています。
5)股関節エコー検査について
たかだこども医院では生後1か月、2か月健診の際に、股関節のエコー検査をしています。開院当初に、先天性股関節脱臼を早期に確認できればそれだけ治療期間が短く済むよと整形外科の先生に教えて頂き始めていました。
生まれてすぐの股関節は軟骨成分が多く、まだ完成途上にあります。その時に、赤ちゃんの脚を、自然な M 字開脚の状態ではなく、伸ばした状態で固定してしまうと、大腿骨が外側に引っ張られる形となり、関節が形成不全の状態になり、脱臼が起こりやすくなるとされています。以前に先天性股関節脱臼と呼ばれていた状態は、生まれつき起こっているものではなく、その後の養育環境など環境要因によって脱臼を起こしやすい不完全な関節が形成されていくという意味で「発育性股関節形成不全」と呼ばれるようになりました。
発育性股関節形成不全は、予防することが非常に大事とされています。
日本小児整形外科学会では、向き癖の際に反対側の足が立て膝にならないように姿勢保持すること、おくるみなどで足を伸ばした状態にくるまず、M 字開脚の状態に保つようにと勧告しています。また、足を固定せず M 字開脚になりやすい抱っこの方法として「コアラ抱っこ」での養育を推奨しています。
生後8か月前であれば股関節のエコー検査で脱臼や形成不全の有無を確認できます。足の開きが悪い、左右の皺が非対称であるなど気になる方は、ご利用頂ければと思います。
4)母乳と育児の支援について
たかだこども医院では、毎週木曜日の午後2時〜4時に助産師さんに来ていただき、母乳・育児支援をしています。
新生児及び乳児健診の場ではよく、母乳育児とするのか、ミルク育児にするかと、悩んでおられる方を見かけます。また、赤ちゃんに母乳が良いことは分かっているけれど、事情があって与えることができないでいる方もいらっしゃいます。
たかだこども医院は、母乳かミルクかと、どちらかを「選択」するものではないと考えます。育児用粉ミルクは乳児用調整粉乳が正式名称ですが、あくまで母乳の代用品であり、お助けグッズです。赤ちゃんの栄養は母乳が基本ですが、いろいろな事情で与えられない分を補うものとして、ミルクを位置付けています。
100%ミルクを使っているお母さんであっても、母乳への想いをまだ捨てきれない方がおられると思います。そんな時、助産師さんとお話をすると、少しでも母乳を与えてあげられる方法が見つかるかも知れません。
また、母乳不足の不安から、なんとなくミルクを足してしまいがちですが、もしかすると赤ちゃんは母乳だけで満足できているのかもしれません。ミルクを使ってはならない、ということではなく、必要が無いミルクは与えない方が赤ちゃんのお腹も楽だろうなと感じています。
いわゆるミルク育児をしている方でも、ミルクが足りているのか、多すぎないか、と悩みはつきません。そんなご相談にも応じています。
お母さん方が、自信を持って赤ちゃんと向き合えるよう、お手伝いをさせていただければ幸いです。
3)子宮頸がん予防ワクチンのキャッチアップ接種について
子宮頸がん予防ワクチンの定期接種は、小学校6年生から高校1年生相当の女子が対象となっていますが、
来年(令和7年)3月31日までは、キャッチアップ接種として、1997年4月2日〜2008年4月1日生まれのかたも対象となっています。
現在使用されているシルガード9は、3回接種するのですが、1回目と2回目の間隔は最短で1か月、2回目と3回目の間隔は最短で3か月となっており、ギリギリ4か月で接種を完了できます。
11月中に1回目を接種できれば、3月末日までには3回目を終了することが出来ます。
ご検討下さい。
2)子宮頸がんワクチンについて
日本では、年間約1万人の女性が子宮頸がんに罹患して、約2.900人の方が亡くなっているとされています。
子宮頸がんの原因となるウイルスは、ヒトパピローマウイルスです。1983年に、ノーベル受賞者であるドイツのzur Hausenn博士が、子宮頸がん組織の中にこのウイルスのDNAがあることを報告しました。
このウイルスは1種類ではなく200種類以上に分類されており、そのうち子宮頸がんの原因となるのは少なくとも15種類あるとされています。
アメリカでは2006年に4価ワクチンであるガーダシルが、2009年に2価ワクチンであるサーバリックスが使用され、2014年より9価ワクチンであるシルガード9が承認され使われてきました。2007年に接種を開始したスウェーデンでは、浸潤性子宮頸がんの罹患リスクが63%減少したと報告しています。さらに17歳未満で接種した場合は、リスクは88%低下しており、17~30歳で接種した場合でも53%低下したとしています。
また、万が一子宮頸がんに罹患した場合でも、術後の再発率が有意に減少したという報告もあります。
ワクチンで子宮を守り、子宮頸がん検診で命を守ることが大事です。
1)フルミストについて
2003年にアメリカで発売され、今年ようやく日本でも承認されたフルミストですが、注射のインフルエンザワクチンで腫れやすいかたや、副反応が強いなど、訳あって受けたくても受けられない方には朗報だと思います。
しかし、今年の出荷量が150万本であること(インフルエンザワクチンは2,734万本の予定)もあり、これまで個人で輸入して採用してこられた先生がたが使うであろうことも考えて、今回は採用を見送りました。
今後の供給量の状況を見て、当院でも導入していきたいと考えています。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
午後 | ○※ | ○※ | 休 | ○※ | ○※ | 休 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午後 | ○ | ○ | 休 | ○ | ○ | 休 |
午後14:00~14:30で予防接種だけの健康外来として時間を設けております。
又、午前・午後の一般診療時間内にも時間を設けておりますのでそちらもご利用下さい。
(水曜・土曜の午前も行っております)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午後 | ○ | ○ | 休 | ○ | ○ | 休 |
月・火・木・金の午後14:00~16:00
*木曜のみ16:30まで健診の時間帯となっております。
*木曜以外は14:00より予防接種の予約も設けて下りますので、そちらが終わり次第、健診の時間帯となります。
医院名 |
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たかだこども医院 |
院長 |
高田 修 |
住所 |
〒981-0124 宮城県宮城郡利府町沢乙東1-14 |
診療科目 |
小児科 |
電話番号 |
022-767-6555 |